*

迷彩服のヒーロー 事故から救ってくれた自衛隊員への話

公開日: : 最終更新日:2016/03/06 感動する話

Pocket

数年前の夏、私は息子(5歳)を連れて家から車で1時間のところにある、自然博物館の昆虫展に向かっていました。ムシキングの影響で息子はとても楽しみにしていました。
あと数キロと言う地点で渋滞の最後尾に。止まった瞬間、ものすごい衝撃に襲われました。後方から来た大型トラックに追突されたのです。一瞬何が起こったのか理解できませんでしたが、すぐに追突されたと判断できました。
即座に助手席に居た息子の安否を確認しようしたのですが、そこには息子の姿がありませんでした。子供の名前を叫ぶと、助手席の足元から「痛い」という声が。息子は衝撃でシートから足元にずれ落ち、挟まれていました。
正直半狂乱になってしまいました。あのときの私は完全に冷静さを失っていました。半狂乱の私も足を挟まれて動けない事に気づきました。動けない私は叫ぶしかなかったのです。
追突から時間にして1~2分でしょうか。いきなり運転席側の変形したドアを無理やり開けてくれた人たちが居ました。緑色のヘルメットに迷彩服の数人の自衛隊員。
私の足が挟まれているのを知った後、何やらバールのようなもので運転席をこじって、後ろにずらし私を出してくれました。
「息子が助手席の足元に挟まれてます!助けてください!」お礼の前にそう叫んでいました。
すると若い隊員さんは運転席同様、助手席シートを無理やりはずし、潜り込むように助手席に入っていきました。他の隊員さんと大声で作業指示しながら懸命に救助されていました。
数分でしたが私にとってはとんでもなく長い時間に感じられました。そして息子は挟まっていた車体から外に助けていただきました。
と同時に救急車と工作車が到着。息子は救急隊の方にゆだねられました。私も両足が痛くて立てなかったのですが、せめてお礼だけはと思い、その隊員さんのもと這って行きました。
私「本当にありがとうございました!ありがとうございました!!」
自「いえいえ、当たり前のことをしただけです。怪我は治ります。命が無事でよかったです」
その隊員さんをよく見てみると、右肩付近が黒く濡れている。
私「もしかして怪我されているんじゃ?」
自「え?ああ、潜ったときにチョット何かが刺さったみたいです」
隊員が体をひねって右肩を見せようとしたところ背中はさらにベッチョリと濡れていました。普通に考えたら大量出血です。それでもその隊員さんは笑いながら「チョット痛いだけです。大丈夫です」と。その後私は息子と共に救急車で運ばれていきました。
息子は両足の骨折、私は右足の骨折でした。治療が終わって息子のベットに行きました。
「よく泣かなかったね、がんばったね」と声を掛けてやると、息子は「お兄ちゃんが笑ってたから泣かなかったよ。クワガタの話もしたよ」
冷静さを失っていた私は聞こえませんでしたが、隊員さんと何やらムシキングの話をしていたそうです。その為、息子は安心したらしく痛くても我慢できたそうです。嬉しくて有難くてそこで初めて涙を流しました。
その後、救援に来ていただいた消防署に出向き、その隊員さんの所属を教えていただきました。駐屯地の場所をネットで探し出しました。そのページを見ると「記念行事」なるものが2週間後にあることが判明。怪我の治療状況と相談し、記念行事にお邪魔する事にしました。
初めて入る駐屯地。意外と来客も多くビックリしました。どこに行けば良いかも判らず、車椅子に乗せた息子とウロウロしてしまいました。
そのうち式典や訓練?が始まり、大砲や戦車の音にビックリ。なんだか息子も私も楽しんでしまっていました。午後になっても結局ウロウロ・・・。
と、その時1人の隊員さんが声を掛けてきました。大怪我をしてまで息子を助けてくれた隊員さんでした。ニコニコした笑顔に私は男ながら涙がこぼれてしまいました。
「あの時は本当にありがとうございました!」
この一言がどれだけ言いたかったか、息子の回復振りを見てもらいたかったか。色々とお話を聞かせていただきました。
背中の怪我は何かが刺さったのではなく、車体の金属部分で切った事。17針も縫ったこと。私にとっても息子にとってもそこに居たのは正にヒーローでした。
その後その隊員さんは普段訓練で乗られている緑色のバイクを見せてくれました。 足が完治していない息子を抱き上げ、一緒にバイクに跨ってくれました。 そのときの息子の顔はとても嬉しそうで、一緒にバイクに乗っている隊員さんは、まさにテレビに出てくる戦隊物のヒーローに見えました。
その時一緒に撮らせていただいた写真は、息子の宝物になっています。 ムシキングよりも自衛隊のお兄ちゃんの方が大好きみたいです。

q01590

AD googleアドセンス

関連記事

募金箱の前にて幼稚園位の男の子と母親の会話。

母「貯めてたのに本当にいいの?」 子「どうぶつの森我慢する。これで地震の人の家建てる。」

記事を読む

記念日にもらった大切な指輪を無くした

記念日に買ってもらった大事な指輪。 先日、その指輪をなくしてしまった。 どんなに探しても見つ

記事を読む

熊本の名校長・最後の授業

私が考える教育の究極の目的は 「親に感謝、親を大切にする」です。 高校生の多くはいま

記事を読む

親父の手

昔、子供の頃 よく親父と手を繋いで歩いた・・・ 親と手を繋いでみてください・・・

記事を読む

アンパンマンが許さないこと

アンパンマンは 「バイキンマンは悪い奴だ!  許さないぞ!」 とは言わない。

記事を読む

5つの誓い

2002年3月1日。人生を大きく 変える出来事がありました 一生、寝たきりか、よくて車イスの

記事を読む

no image

【日本語字幕】世界中が涙したタイの感動CM

病気の母のため、薬を万引きしようとした少年に救いの手をのべた食堂のおじさん。その30年後、おじさんは

記事を読む

プレゼントを買うのに付き合った

友達に頼まれて プレゼントを買うのに付き合った。 最近いい感じになってる人がいて 告白のつ

記事を読む

「世界の北野」ですら、お母さんには敵わない。。。

『親思う心にまさる親心』 北野武さんが芸能界に入って売れるようになった頃、 お母さんから

記事を読む

おとん いつもありがとう

おとんの小銭入れがくったくたになっていたので父の日のプレゼントに買った かぶっちゃいけないと思って

記事を読む

AD googleアドセンス

AD googleアドセンス

相手のスマホには不幸な事実しかない???

だいたい、彼氏や彼女、旦那さんや奥さんのスマホにはお互いに秘密の闇があ

夫婦ケンカの次の日のお弁当

その夫婦にしか分からない「夫婦喧嘩の仲直り方法」。言葉には出来なかった

3年越しの結婚式に流れたビデオレターに感動

余命幾ばくも無い母のために挙げようとした結婚式にまつわるお話です。

女性が結婚式を特に大切に思い、こだわる理由とは?

兄が「なんで女って結婚式にこだわるんだろう」って言ったとき 奥さ

ウェディングドレスが白色の理由は?

結婚式に参列していた小さな男の子が母親に訪ねた 男の子:「ママ。あの

→もっと見る


PAGE TOP ↑