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見知らぬ子供に涙し、幸せになったおじさんのお話

公開日: : 最終更新日:2014/07/20 感動する話, 泣ける話

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離婚するとき、私は妻と2 つの約束をした。

ひとつは年に一度、娘の誕生日だけは会いにきてもいいということ。

もうひとつは、そのときに自分が父親であるという事実を娘には明かさないでほしいということ。

自分が父親だということを言えない。
それは私にとってつらい決まり事ではあったが、娘にとってはそれが最良の選択だあることもわかっている。

年に一度、娘の誕生日を一緒に祝えるだけでも感謝しないといけない。

それ以来、娘の誕生日にはプレゼントを買い、ふだんは着ないスーツを着て母子に会いにいった。

元妻は私のことを「遠い親戚のおじさん」と紹介した。

娘も冗談なのかなんなのか私のことを「見知らぬおじさん」と呼んだ。

娘が小学校にあがる年のことだ。

例年通り私がスーツを着てプレゼントを持って母子のもとを訪れると、元妻から「もう会いに来るのは最後にしてほしい」と言われた。

そろそろいろんなことを理解してしまう歳だからと。

それが理由だという。

私にはわかっていた。

新しいことがはじまろうとしているのだ。

娘にもやがて一緒に誕生日を祝う同級生ができるだろう。

元妻は、再婚を考えているかもしれない。

そんなところに〝見知らぬおじさん〟がいてはいけない。

それ以来、母子と会うことはなくなった。

だが娘の誕生日だけはどうしても忘れられず、毎年プレゼントだけは贈り続けた。

筆箱や本などささやかなものを、差出人の欄になにも書かず送った。

それを元妻が娘に渡してくれていたかどうかはわからないが、ただ「娘の誕生日を祝う」という行為だけが小さな楽しみになっていたのだ。

それも、娘が中学生になる年にはやめようと決めていた。

娘からすれば私は知らないおじさん、こうしてずっとプレゼントが届いても迷惑だろう。

娘には新しい未来がある。私も別の道を歩まなければいけない。

ただ娘の幸せだけを願い、英語の辞書を送って最後にした。

それから一ヵ月ほど経ったある日、私のアパートに郵便物が届いた。

差出人の欄にはなにも書かれていない。

小さな箱を開けてみると、中から出てきたのは紺色のネクタイピンとメッセージカード。

メッセージカードを開くとそこには初めて見る可愛らしい文字が並んでいた。

<いつも素敵な誕生日プレゼントをありがとう。
私もお返しをしようと思ったのだけど誕生日がわからなかったので(汗)今日送ることにしました! 気に入るかなあ……見知らぬ子どもより>

その瞬間はっとした。

その日は、父の日だった。

引用:この世で一番大切な日

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