*

婦警さん

公開日: : 感動する話

Pocket

私がしたのではなくて、見たものですが前に住んでいた団地で刃物を使った事件がありました。
それを撃退した鳶たちと警備の女の子の話です。
フェイク有り。
数年前の話です。

当時その団地では改修工事が行われていて、その事件の日は足場の解体をしていました。
私はヒョロガリのおっさんなので、がたいのいい若い鳶のお兄ちゃんたちは少し怖いと思っていましたが、すれ違えば元気のよい挨拶をしてくれる人たちでした。
そんな彼らにいつもついて回る警備の女の子がいました。
綺麗で若い女の子なのに警備員をしてるという珍しさもあり、近所で話題になったりもしていました。
近所のおっさんたちは「今日、警備ちゃんとお話したんだよー。」なんてデレデレはなしていましたが、私は挨拶をするくらいしかできませんでした。
それでも勇気を出して一度「今日は暑いですね。」と話しかけたところ「そうですね。お体に気を付けてくださいね。」と返してくれて、その日は仕事を頑張ろうなんて思ったりしたこともありました。

ある日のこと、外から悲鳴や怒号が聞こえてきました。
何事かとベランダから声のするほうを見てみると、私の部屋のすぐ下でその女の子が警笛を鳴らしながら足場で使う長い鉄棒?みたいなものを構えていました。
そしてあの細い体からでているとは思えないほどの大きな声で、「刃物を持っています!逃げてください!子供を避難させてください!」と叫んでいました。

幸いなことに彼女のまわりに住人は少なくすぐに避難していったようでしたが、彼女にあと数メートルのところまで迫っている犯人の手には、長い刺身包丁のようなものが握られていました。
私はただ呆然とその姿を見守ることしかできませんでした。

犯人はうるさいなどと喚きながら包丁を振り回していました。
その様子に気づいた鳶のお兄ちゃんたちは、同じく長い鉄棒を構え、円になって取り囲んでいました。
彼女は「頭はだめ、殺してしまう!腕や足にしてください!」と叫んでいました。
鳶たちも怒鳴り声をあげていて、ますます呆然とその様子を見ているしかなかったのですが、遠くからパトカーのサイレンが聞こえてきました。
すると犯人は、たぶん唯一の女の子だったからでしょう。警備の女の子に向かっていったのです。
あ!と思った一瞬、彼女は構えていた鉄棒で包丁をたたき落とし、足を何度か叩いた後、体制を崩した犯人を投げ飛ばしたのです。
そこから一斉に鳶たちが犯人を袋叩きにし、ロープでぐるぐる巻きにしました。

すぐにたくさんの警察官がやってきて、無事犯人は逮捕されていきましたが、彼女はその場でへたり込み泣いているようでした。

後から警察官がやってきて事情聴取のようなものをされたり、当時は別の大きな事件があったのでニュースでは見かけなかったのですが、新聞で”現場の作業員たちの素晴らしい判断”みたいな記事を見ました。
その新聞では、犯人は私の住んでいた団地の住人ではなく近所のマンションの住人で、工事の音がうるさく犯行に及んだとのことでした。

その後、どこから伝わったのか鳶のお兄ちゃんたちは子供の間でヒーロー扱い。
もともと気さくで子供の面倒見もよく、たまに手のあいている時間に子供の相手をしてあげてるところを見かけるような人たちです。
ますます子供たちはお兄ちゃんたちが大好きになったらしく、工事が終わる頃には帰らないでと泣きつかれていました。
奥様方には、逞しいわ~なんて言われていて、ちょっと羨ましかったです。

実は先日、会社の用事で近所の交番に行ったのですが、なんとその彼女に会ったのです。
そして彼女も私のことを覚えていてくれて、当時のことを少し話しました。

彼女は学生バイトで警備をしていたらしく、投げ飛ばしたことについては柔道で全国大会の選抜選手だったそう。
事件後、警察署でお決まりの警察官になってみないかと聞かれ、とっさに行動できずオロオロしてしまった自分が悔しく(そうは見えませんでしたが)いざという時に大切な人たちを守れるようになりたく、警察官になろうと決めたそうです。
しかし後にも先にも犯人と対峙したのはあれ以来で、事件がないのは嬉しいと笑って話していました。

誰も怪我をすることなく逮捕されたのは、彼女たちのおかげだと思います。
私は今でも冴えないおっさんですが、彼女たちのようにいざという時家族を守れる人になりたいものです。
彼女と再会して思い出したので書き込みしました。
長文失礼しました。

q00540

AD googleアドセンス

関連記事

思わず2度見てしまう!小林市PR動画がすごい!

https://youtu.be/jrAS3MDxCeA

記事を読む

パパサンキュー

私の知り合いの若い女の子が、お父さんに軽自動車を買ってもらったそうな その女の子は嬉しくて嬉しく

記事を読む

父は忘れる

『父は忘れる』 (リヴィングストン・ラーネッド)   坊や、きいておくれ。 おま

記事を読む

「しあわせだね」って口にするだけで幸せになれるよ。

電車内。 推定3歳くらいの女の子が 「けしき、きれいだね。しあわせだね」 「お

記事を読む

母猫の最後

Rの実家は猫好きな一家で、野良猫に餌をあげているうちに家中猫だらけになってしまったそうだ。 (高校

記事を読む

永遠に残るもの

テディ・スタラードは、確かに、劣等性と呼ばれるのにふさわしい子どもだった。 学校に興味がない。

記事を読む

ばあちゃんと自転車

俺、老人苦手。 「おばあちゃんこ」とか「おじいちゃんこ」とかってスゴイ。 老人慣れしてるヤツ

記事を読む

迷彩服のヒーロー 事故から救ってくれた自衛隊員への話

数年前の夏、私は息子(5歳)を連れて家から車で1時間のところにある、自然博物館の昆虫展に向かっていま

記事を読む

僕は誇らしかった

僕が幼稚園の頃の事だ。 まだ東北新幹線も上越新幹線も建設中で、一部区間を試験車両だけが走ってた時代

記事を読む

親父の手

昔、子供の頃 よく親父と手を繋いで歩いた・・・ 親と手を繋いでみてください・・・

記事を読む

AD googleアドセンス

AD googleアドセンス

お母さんのハンバーグ弁当の味

俺の母さんは、生まれつき両腕が不自由だった。 なので料理は基本的に父

「すぐツライと言うのは、ほんとはツラくないんだよ」その言葉忘れない。

大好きだったじぃちゃんが亡くなりました。 私は、小さい時からよく

【騙された花嫁】しかしその真実とは?

本当の親ではないパパと、騙されたその娘の結婚式。 騙された花嫁と

【実話】「他に男できたから別れよ!」…彼女に突如別れを告げられた俺に一本の電話が…(感動する話)【漫画動画】

「彼氏に心配かけたくなくて迷惑かけたくない」という気持ち と

嫌いな母親の顔の傷の秘密。もっとキレイなお母さんが良かったのに。

大嫌いな母親には大きな傷が。 それが母親を嫌いな原因。なんでそん

→もっと見る


PAGE TOP ↑