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チョコレート

公開日: : 最終更新日:2014/04/06 泣ける話

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小学校低学年でガンを患って以来、えらい病弱になった。

元々体は弱かったけど、ここ数年は年を重ねていくごとに弱っていくような感じだった。

冬なんて学校を休むのはいつもの事だった。
ちょっとした事で熱を出したり、それが悪化して肺炎になったり。
今年は入院もした。それくらい弱かった。

ある冬の日、学校から帰ってきて夕飯を食べた後。
ゴロゴロしていたらチョコレートが食べたくなったので近所のスーパーに買いに行こうとした。
家から300m程のかなり近いス―パで、よく行く店だった。
だが両親は寒いからダメだと言った。

わたしは「それくらいいいだろう…」と思った。
いくら体が弱いとはいえ、近所のスーパーくらいいいだろうと思ったのだ。

しばらく反論していたが、すると父親はわたしが先月入院した話をもってきた。
「そうやって寒い時に外出するから風邪を引くんだ。
それが悪化して肺炎になってお前は1週間も入院したじゃないか」と。

わたしはチョコレートが買いに行けないとか
お菓子が食べられないとかそういうのじゃなくて、
自分の身体の弱さで行動を制限される事が悔しかった。

身体が弱いから、正直外出してもしなくても倒れる時は倒れる。
だけど父はそれを聞いてくれなかった。

「お前は体が弱いから」

そう言われる事が悔しくて悲しくて、
情けない事にわたしは泣いてしまった。
そのまま布団に行って泣きながら眠った。

数日後。
昼食をつくるためにキッチンへ。
戸棚の下にある引きだしにパスタがあったので開けると、
そこには板チョコレートが何枚も入っていた。

祖母に理由を聞くと
「あんたのお父さんとお母さんが、あんたが夜の寒い時にチョコレート食べたいって言い出したらいつでも食べられるようにって買って来たんだよ。ばあちゃんも最初見た時はびっくりした」
と笑いながら話していた。

父と母はわたしがどうしてもチョコレートが食べたくて泣いたんだと思ったらしい。

何枚もの板チョコを見て、わたしは泣きそうになった。
もう自分の身体の弱さを自覚してわがままを言わないようにしようと思った。

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