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【泣ける話】俺が小1の時にお袋が今の親父を連れて来た

公開日: : 泣ける話

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もう随分前の話だが・・・。
俺が小1の時にお袋が今の親父を連れて来た。親父は連れ子である俺にも本当の子どものように優しくしてくれた。話は親父とお袋が結婚する少し前の話だ。
お袋と一緒に親父の実家に言ったときに俺は初めてそのじいちゃんに会った。
亭主関白の家だったらしく、長いテーブルの正面にドンと構えていた。始めはものすごく怖そうな人だと思った。でも実際はそんなことはなかった。
毎週電話をかけてくれては話を聞いてくれた。「学校はどうだ?」「楽しいよ。友達がまたできたんだよ。」「勉強も難しいだろ。」「簡単だよ。だって僕がんばってるもん」毎週の電話で自慢話をするのがすごく楽しみだった。旅行にも山登りにも海にも・・・。いろんな所にも連れてってくれた。そんなじいちゃんが俺も大好きだった。
小4ぐらいになって妹ができた頃。仕事による時間のすれ違いや意見の相違で親父とお袋の仲が悪くなり始めた。
お袋は俺に親父に対する悪口を言うようになった。その中にはじいちゃんに対するのもあった。小1まで女手1つで育てられた俺はお袋の言うことを全て信用してしまった。そのせいでじいちゃんに対する感情も変わった。
それからというもの帰ってきて留守電を聞くと毎日のようにじいちゃんから電話が入っていた。お袋はうるさいなぁ、と嫌がる。
俺もお袋と同じ気持ちだった。じいちゃんは俺と電話をしたかったのかもしれない。毎週楽しみにしていたのかも知れない。俺はそんな気持ちを踏みにじってしまった。本当に後悔している。
小6の末。ずっと連絡がなかったじいちゃん家から連絡が来た。
「じいちゃんが入院したの。」お酒の飲みすぎで肝臓の病気にかかったらしい。僕は家族でお見舞いに行くことになった。本当は行きたくなかった。じいちゃんに悪い印象があるのもそうだが、電話で聞いた元気な声が変わってるのが見たくなかったし電話をずっと出なかったことを怒られそうだったからだ。
病室はものすごく静かだった。中に入っても布団の中のおじいちゃんは起き上がらなかった。病気の侵食が予想より早かった。それでも僕は声をかけた。「おじいちゃん・・・。」「・・・学校は・・どう・・だい?」水分が抜けたかすれた声で思わぬ質問をしてきた。電話と全然違う声で。「・・・楽しいよ。すごく楽しい。」後悔と悲しみで胸が一杯になった。
自慢げになんて話せなかった。
「・・・その返事が・・・ずっと・・聞きたか・・った」目から涙が出た。自分を責めたくなった。親に承諾もせず、僕はじいちゃんに言った。「中学校に行ったら制服着てもう一回くる!待ってて!絶対!」
それから1ヶ月もたたなかった。
じいちゃんは静かに逝った。学校だったからその場にはいなかったけれど親から聞いても涙は出なかった。制服を見せる夢は叶わなかった。葬儀には親に頼んで制服でいった。入学式まで着ないと思っていたが、じいちゃんのために着ていった。式場に入ったときじいちゃんが満面の笑みを浮かべている写真が張ってあった。俺はその写真を見た瞬間、涙が止まんなくなった。
じいちゃんは悪くなかった。自慢話をたくさん聞いてくれた。いろんな所に連れてってくれた。後悔の気持ちで一杯になった。
今でも留守電が入ってるとじいちゃんのことを思い出す。自慢話を聞かせてあげることはもうできない。
だけどなぜか留守電が入ってるとすみずみまで探してしまう自分がここにいる。

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