*

変な名前のネコ

公開日: : 最終更新日:2014/12/09 感動する話

Pocket

11年前の2月、何も無い湖の駐車場でガリガリの猫が寄ってきた。
俺たちの前によろよろと来るとペタンと腹をつけて座った。

「キタねー猫だなー。」

と思っただけで他に何とも思わなかった。
猫を飼っていた彼女がその猫を撫でながら言った。

「ここにいたら死んじゃうね。」

ヤングだった俺は頭にきた。

「何、病気なのか?死ぬと分かってて放っておくのは殺すのと一緒だろ!何言ってんだオメー。」

そのまま膝の上に乗っけて車を運転して帰った。

顔は目ヤニだらけ、鼻水で鼻はガビガビ、尻から出てきた回虫が俺のズボンの上を這っていた。
コホコホ咳をして、くしゃみで車のドアはベトベト、痰でゴロゴロいっていた。

「どうするの、その子?」
「治るまで俺が飼う。」
「じゃあ名前は?」
「うーん・・・痰が詰まってるから・・・痰助。」
「変な名前。」
「うるせー。」

風呂場で綺麗に洗って、シシャモとちくわを食わせた、びっくりする位食った。
獣医に連れって行って虫下しと風邪の薬を貰って帰った。

もともと飼い猫だったようで、トイレは最初からできた。
ペットが駄目なマンションだし、治って暖かくなったら逃がすつもりだったが、1週間で方針を変えた。

あっという間に倍くらいに太り、夕方になると玄関で俺の帰りを座って待つようになった。
当時は分からなかったが、そうとう歳をとった猫だった。
すごい食いしん坊だったが、歯が何本も抜けていて、毛も艶が無かった、一日中じっとしていた、走ることもめったになかった。
ちょうど1年後、痰助は死んだ。

板で小さな棺を作り、痰助に出会った湖の桜の木の下に埋めた。
 
今になれば分かる。
出会った日、あれは痰が詰まってたんじゃなく、嬉しかったんだと。

たんすけのおかげで、俺はすっかり猫バカになった。
今俺は10歳の小吉と6歳の良男と暮らしている。

今日も壁に掛かったコロコロのたんすけが行儀良く座って俺を見ている。

変な名前付けて悪かったな、たんすけ。
でも、今うちにいるやつらもみんな変な名前だから、勘弁しろよ。

z00654

AD googleアドセンス

関連記事

パパサンキュー

私の知り合いの若い女の子が、お父さんに軽自動車を買ってもらったそうな その女の子は嬉しくて嬉しく

記事を読む

「世界の北野」ですら、お母さんには敵わない。。。

『親思う心にまさる親心』 北野武さんが芸能界に入って売れるようになった頃、 お母さんから

記事を読む

娘の言葉

電気工事士として引き抜かれ、 次の会社でも頑張っていたのですが、 その会社が不振になり、 リス

記事を読む

3本のビデオ

サキちゃんのママは 重い病気と闘っていたが、 死期を悟ってパパを枕元に呼んだ。 そ

記事を読む

木村拓哉さん

ドラマ撮影が押してる休憩時間。 キャストは過酷なドラマ撮影に 疲労し疲れをとるため 少しで

記事を読む

耳の不自由な女性

2年ほど前の話ですが。 その日バス乗ってたんですょ。 そしたら耳の不自由な女性が 乗ろぅと

記事を読む

お父さんのお誕生日会 ~感動する話。娘たちからのプレゼント~

20年以上前にテレビで見た実話 パパ、ママ、小学生3人の3姉妹の 仲良し5人家族 ある日ママが

記事を読む

迷彩服のヒーロー 事故から救ってくれた自衛隊員への話

数年前の夏、私は息子(5歳)を連れて家から車で1時間のところにある、自然博物館の昆虫展に向かっていま

記事を読む

反抗期のまま10年過ぎてしまった少年と母親の物語

【泣ける話】優秀な息子が突如不良に...更生を祈り続けた母...(感動する話)【漫画動画】 を

記事を読む

ママに優しくしてあげたくて来たんだよ

長男がちょっとづつ話せるようになった3歳ぐらいの頃、 長男が急に話し始めたことがあります。

記事を読む

AD googleアドセンス

AD googleアドセンス

【実話】「他に男できたから別れよ!」…彼女に突如別れを告げられた俺に一本の電話が…(感動する話)【漫画動画】

「彼氏に心配かけたくなくて迷惑かけたくない」という気持ち と

嫌いな母親の顔の傷の秘密。もっとキレイなお母さんが良かったのに。

大嫌いな母親には大きな傷が。 それが母親を嫌いな原因。なんでそん

反抗期のまま10年過ぎてしまった少年と母親の物語

【泣ける話】優秀な息子が突如不良に...更生を祈り続けた母...(感動

つかなくてもいい嘘で別れた初恋の人

私が初めて好きになった彼は優しくて、いつも私のワガママを聞いてくれてい

傘をくれた天使

たぶんどうでもいいことが原因で旦那と喧嘩をしたあの日、育児にも疲れ、夫

→もっと見る


PAGE TOP ↑