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この子は、普通じゃないですね

公開日: : ちょっといい話

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「この子は、普通じゃないですね」とさらっと保健士言われた時から

「普通」ってなんだろうと考えた。

「一度、病院に行って診てもらってください」

たった5分ほどの会話で、一体何がこの子を判断するのかわからなかった。

普通じゃないから「病気」。

心の問題?脳の問題?

生まれ方?母親が原因?

過去世?環境?

とにかく、「普通」に学校には行けなくなった。

6歳。無理やり引っ張れば引きずれる小さな身体。

雨の日、『いやだ』と泣き叫ぶこの子を引きずって
学校へ行こうとした時、ふと気が付いた。

「この子の笑顔が大好きなのに、

この子の笑顔で救われてきたのに、
なんで、私が泣かせてるんだろう?」

・・・すぐ、家に帰った。

「ごめんね、いやだったね。」

『・・・』

「もう、学校行くのやめようね」

『・・・悪い子?』

悪い子なんかじゃない。

学校に行く事が当たり前にできなかったことが悪い子と

思わせてしまうことにあわてた。

行けないこと、できないこと=悪い子なはずがない。

その日から、学校には何度も通い、この子の状態をお話する。

時間をかけて、何度もお話しするうちに、あたたかく理解していただいた。

学校側の理解のためには、病院の診断書も必要だったし、
大人の「判断」のためにも病院へ行った。

「アスペルガー症候群」と診断された。

まだ、症例が乏しくて、治療も先行きも正直これといってよい方法が
わからない、とお医者さんも言っているように思った。

通院して、いわゆる治療も受ける。
「箱庭療法」・・・親と離れて受けるので、様子を見たことはない。

怖い気持ち、嫌な気持ちはドアを開けて出てくる瞬間から見て取れる。

どこからどう見ても幼い娘から見ても「病院」なので、

「悪いところを治してもらうところ」がわかるから

『自分はどこか悪いんだ』=『ママを困らせてるんだ』=『私は悪い子なの』と娘が思ったのか

『ママ、ここに居る人はみんな楽しそうじゃないね。』

『ママ、悪い子でごめんね』

『ママ、ごめんね』

・・・これは、まずい。と思い、先生に相談した。

いろいろと話し合って、通院を辞める。学校への連絡も先生の判断を
合わせてしてくださったので、ありがたかった。

「もう、先生に会いに来なくても大丈夫だって。」

『治ったの?』

「そうだよ、よくがんばったね。もう大丈夫だよ」

『やったぁ。もういい子?』

そうだよ、と答えた気がするけれど、覚えていない。

それより、

やっぱり悪い子って思わせていた。

悪い子じゃない。と云えば、ここに通っていた理由はなんだと・・・。

「普通」ってなんだ?

「悪い子」ってなんだ?

なんだっけ?

1年に満たない病院通い。

答えはなかった。

「この子が笑顔でいられるように」
先の事はとにかく、まずは今日、明日。

それだけを考えて、過ごしてみよう。

私が、いろいろと難しく考えるより、

とりあえず、今日一日。

一緒にいて、一緒に笑って、一緒に悩むこと。

ぎゅって、手をにぎって
私の顔を心配そうにのぞきこむ。

自分の事じゃない。

生まれて、まだ7年しかたっていないこの子が
30年以上生きている私を心配している。

『ママ、大丈夫?ママ、困ってる?ママ、ごめんね』

きっと、私は毎日暗い顔をしていたんだろう。

どんなにつくろっても、やっぱりばれる。

「なんで、この子が?なんで私が?」

そんな思いはストレートに伝わるんだ。

誰かのせい、何かのせい、

「あ、だからこうなのね」

気休めでもそんな答えを求めたくなったりした。

私が心配していたのは、
もしかしたら「普通」からはずれること。

親として何をしているのかと家族や世間から責められること。

お前が前世に何か悪いことをしたからだと言われること。

自分の事ばかり心配している?
目の前にいるこの子の今ではなく・・・。

大人っていってもたいしたことなかった

親だって言っても全然だめだ

私、自分の事しか考えてない。

そう思ったから、すごく反省した。

この子は、ただまっすぐ、大好きなママの事だけを心配している。

これ以上のこと、何を望む?

ゆっくりでいいから、
この子と一緒にゆっくり歩こう。

そういえば、この子にはいっぱい笑わせてもらった。

お乳を飲んですぐ寝る。

とにかくよく笑う。

一人でいろんなものに語りかけ(言葉じゃないけど)うなずく。

なかなか歩かなかった。1歳3か月までハイハイしてた。

走ると転んだ。

歩いていても電信柱にぶつかった。

ありの行列を2時間みていても飽きない。

スーパーの小瓶を全部正面向けて並べ直す。

ずっと象形文字を書き続ける。

写真のように記憶する。

本が好き。いっぱい読み聞かせする。

英語のビデオが好き。

競争しない。

大きな声嫌い。大きな音嫌い。

抱っこ大好き。

・・・・・

それでいいんだ。

笑う、悩む、泣く、笑う、考える、忘れる、話す、喧嘩する、笑う

・・・全部ゆっくり繰り返していけばいいんだ。

答えなんかないし、あったとしても

きっと一つじゃないし、

まちがってたっていいんだ。

そんな娘も、もう19歳。

12年前の秋でした。。。

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